4/15~4/19 の5日間、AACR(American Association of Cancer Research ) 2023 annual meeting に参加する機会に恵まれました。研究室配属初日、近藤先生から「国際学会に行きたいか!!?」と発破をかけられて以降、参加したかった国際学会に参加することができ、今後二度と体験することのないであろう衝撃的な体験を学生中にすることができました。会場場所がフロリダのオーランドという、全米でも屈指のリゾート地であり、天国のような一週間の中で私が体験し、感じたことを報告します。
本学会に参加し、感銘したことは規模の大きさと開放的な雰囲気です。開催会場の大きさは5日間毎日行っても迷子になってしまうほどで、全部を見て回ることは物理的に不可能なポスター発表の数、昨年のノーベル化学受賞者の記念講演の存在など、参加者の数、質いずれも圧倒されました。企業ブースでは無料でお菓子やコーヒーのみならず、タンブラーや自身の写真をプリントしたカフェラテも無料で提供されており、各企業の寛大さにも衝撃をうけました。また、口頭発表やポスターも含め、会場内は常に質問が飛び交っており、終始非常にオープンな雰囲気でした。会場に到着した当初は英語で質問することなど考えられないと感じていた私も、最終日には国際学会の開放性に飲まれてしまったためか、気づいたら英語で質問をしていたことは良い誤算です。
ポスター発表では、私は3年後期に研究したエピゲノム治療薬の開発に関して発表しました。英語を流暢に話せない一学生のポスターはきっと研究者にとって興味はないだろうと思い込み、私がポスターの前にいる必要のある二時間半をどう過ごそうかと直前は途方に暮れていましたが、予想以上に多くの方が私のポスターに興味を持って話しかけてくださり、充実した貴重な体験ができました。スペインの大学の研究者から一流大学の研究者まで、どの研究者も自身の研究と照らし合わせて純粋な好奇心で質問をしてくださり、答える私もいろいろ学ばせていただきました。また、私の発表のような一学生の発表も熱心に見てくださる研究者の姿を実感し、世界がつながっているという感覚を実感しました。
本学会を通して以下の3つを学びました。
1つ目に、積極性です。ポスター発表や学会発表では常に質問を歓迎する雰囲気で、どのような質問に対しても演者は真摯に丁寧に答えていました。その環境の中であっても自発的に行動をしなければ自分の知りたい情報を得ることができないと気付き、積極的に行動する重要性を認識しました。
2つ目に英語力の必要性です。本学会はアメリカ以外の様々な国籍の研究者が来られていましたが、どの研究者もとても流暢に英語を話されていました。研究者として、相手とコミュニケーションをする手段は英語であるという当たり前の事実を認識したため、できないなりに何度も使い、英会話力を含めた英語力を向上します。
最後に、機会に備えて準備をする計画性です。ハーバード大学のPIからのリクルートや一つのポスター発表から共同研究への提案を目撃し、活発的な交流を目の当たりにしました。私にいつチャンスが来てもそのチャンスに乗ることができるよう、今のうちから準備する大切さを実感しました。
初めて国際学会に参加し、想像を超える素晴らしい体験ができました。世界のトップ研究者は自分にとって限りなく遠い存在に見えた一方、自分の研究も見てくれる世界の研究者の存在も知り、「遠くて近い世界」の存在を身を以て体験することができました。自分が将来対峙する相手は必ずしも国内ではなく、学会で見た彼らだということを胸の中にしまい、これから精進します。
最後になりますが、基礎配属からポスターの添削まで一から丁寧に教えてくださった新城先生、滞在先のサポートをしてくださった鈴木先生、国際学会に参加する機会を作ってくださった近藤先生を始めとする腫瘍生物学の皆様、国際学会への参加のためにサポートしてくださった黒田先生、阿部さんを始めとする学生研究会の皆様に感謝申し上げます。