お知らせ

5年峯松礼佳さんの学会発表報告

AACR Annual Meeting 2023 参加報告書

名古屋大学医学部医学科5年
腫瘍生物学所属
峯松 礼佳

 このたび2023年4月14日から1週間、アメリカ合衆国フロリダ州オーランドで開催されたAACR (米国がん学会、American Association for Cancer Research) Annual Meeting 2023に参加し、ポスター発表を行いました。AACRは1907年に設立された100年以上の歴史のある学会です。年次総会であるAACR Annual Meetingはがんの基礎研究の学会として世界最大級規模で、世界中から約2万人の方が参加されていました。このような素晴らしい学会に参加できたことに心より感謝申し上げます。

 私は4月14日夜に現地到着後4月15日から学会に参加しました。学会会場に足を踏み入れた際には、何よりもまず会場の大きさと人々の熱気に圧倒されました。私自身のポスター発表は最終日の19日に予定されていたため、それまでは講演やポスター発表を拝聴してまわりました。講演の内容は難しく自分の知識不足を感じる面もありましたが、世界の最先端で活躍されている研究者の方々が自分の分野について分かりやすくお話ししてくださり、幅広い分野について今何が行われているのか直接お聞きできたことは大変貴重な経験となりました。ポスター発表を見る際には、せっかくの機会だと思いテーマを絞らず様々な領域の研究内容を学びに行きました。発表者の方々は、学生である私の緊張しながらの質問にも丁寧に答えてくださり、内容について理解を深めることができました。

 4月19日には、「長鎖非翻訳RNA TUG1のlive cellでの可視化」というタイトルでポスター発表を行いました。最終日にもかかわらず開始直後からたくさんの方々が発表を見に来てくださり、中には抄録集から私のポスターを探して質問しに来てくださったという方もいました。多様なバックグラウンドを持つ研究者の方々と議論でき、かけがえのない貴重な時間を過ごすことができました。ポスター発表を見学した際に、正直自分の研究内容と規模感が全く違うと感じていましたが、見に来てくださった方がみなさん対等な目線から意見や質問を投げかけ、この点が興味深いと声を掛けてくださったことが印象的でした。

 学会全体を通じて、自分の世界が大きく広がりました。学会は本当に熱気とワクワク感にあふれたある種お祭りのような空気で、行く前に想像していた国際学会の雰囲気とはかなり違うものでした。私もその雰囲気の中で講演や発表を楽しんでいるうちに、幅広い分野において世界規模で様々な内容が深く研究されていること、良い意味で上には上があることに改めて気づかされました。さらにその中で発表を行い議論できたことで自分に自信が持て、もっと頑張りたいという気持ちにさせられました。学生として国際学会に参加しなければ得られなかった学びばかりで、このような機会をいただけたことに感謝の気持ちで一杯です。

 発表以外にもたくさん貴重な経験をしました。特にAACR Runners for Research 5km Run/WalkというAACRのランニングイベントに参加したことはかけがえのない思い出です。オーランド到着の翌日朝7時30分から、腫瘍生物学教室の近藤豊先生、新城恵子先生、学会参加学生と一緒に走りました。研究者をはじめとする何百人もの方々と一緒に走りきり、一体感と達成感がありました。滞在期間中はオーランドのコンドミニアムで生活し、空き時間には自然豊かな環境と美味しい食事を堪能することもできました。

 最後になりましたが、手厚くご指導くださり、海外学会での発表という夢のような機会とご支援をいただき、さらにご多忙中にもかかわらず学会参加にあたり幅広くサポートしてくださった近藤豊先生、鈴木美穂先生、新城恵子先生をはじめとする腫瘍生物学教室の皆様に深く御礼申し上げます。
また、3年後期の基礎医学セミナー最優秀賞受賞に際して海外学会参加の援助費用をいただいたことに加え、ポスター印刷や手続きなどご支援いただきました学生研究会の黒田啓介先生、安部小百合様に厚く御礼申し上げます。

腫瘍生物学教室の皆様と
AACRでのポスター発表
学会ランニングイベントへの参加
コンドミニアムにて皆で料理づくり