お知らせ

3年井上澪さんの研究室訪問報告

研究室訪問 報告書

名古屋大学医学部医学科3年
分子細胞学所属
井上 澪

 2023年8月14日から25日の2週間、アメリカ・ニューヨークにあるマウントサイナイ医科大学のLaboratory for Developing Minds (PI: 森下博文先生)を訪問しました。訪問中は、研究内容の紹介をいただいたり、実験を見学したり、またラボミーティングで自分の研究を発表する機会をいただいたりと充実した時間を過ごすことができました。

 研究室は他のラボと共有で使っている部屋や機械が多く、ラボ単独の占有スペースは個人のデスクとmolecularの実験台がメインになっていました。そのためか、比較的規模が小さめのラボが多い印象を受けました。
 ラボミーティングでのプレゼンでは多くの質問をいただき、またミーティング終了後にも研究内容や手法に関してラボメンバーとの議論が弾みました。プレゼン後から神経科学を研究している人として質問をいただけるようになり、言葉の通り研究は世界共通であることを実感するとともに、自分の研究結果を持っていることの重要性を感じました。

 研究内容以外では、アメリカで博士課程やポスドク、またPIとして独立することについてお話を伺いました。近年日本の医学部を卒業してそのまま海外の大学院に進学する人が増えており、入試や生活について情報をシェアするコミュニティーもできているそうです。またアメリカでPIとして独立することは、スタートアップの資金を貰える、実験機器が共有のため全てを揃えなくて良いなど、日本と比較して独立しやすい環境にあり、また独立後も研究に集中できる環境にあると伺いました。一方でアメリカでは自分の給料もグラントによって賄われており、常にグラントを取り続けなければ研究を続けることが難しいとも伺いました。一概にアメリカが良い、日本が良いということではなく、制度を研究をするための手段として考えることが重要だと思いました。

森下先生、ラボメンバーとの集合写真

 休日には、アメリカ自然史博物館、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館など著名な博物館・美術館を周りました。有名な絵画や貴重な資料が展示されているだけでなく建物自体も美しく、それが展示を際立たせているように感じました。また、ニューヨークで神経科学の研究をしている日本人のコミュニティーに加えていただき、プリンストン大学の見学に連れて行ってもらいました。大学も街の雰囲気もニューヨークとは大きく異なり、広々とした空間と豊かな自然が印象的でした。

 今回の研究室訪問を通して、世界が近くに感じられるようになりました。また改めて、今の研究をこれからも頑張っていこうと思いました。
 研究室訪問を受け入れてくださった森下先生、ラボメンバーの皆様、森下先生に訪問を打診してくださった分子細胞学の和氣先生、そしてご支援いただきました学生研究会の皆様に深く感謝申し上げます。

アメリカ自然史博物館
メトロポリタン美術館
プリンストン大学キャンパス