お知らせ

5年三浦宗一郎さんの高麗大学国際医学生研究カンファレンス参加報告

6th International Medical Student Research Conference

名古屋大学医学部医学科5年
神経情報薬理学所属
三浦宗一郎

 私は、2023年12月22日に韓国のソウル特別市城北区に位置する高麗大学校で開催された6th International Medical Student Research Conference に参加させて頂きました。名古屋大学からは5人の学生が参加し、飛行機と鉄道を利用い現地に向かいました。私にとって初の海外渡航であり、期待半分、不安半分といった心持ちでした。英語は聞いて分かるのですが、ハングルはまったく分かりません。
 韓国は東北地方くらいの緯度に位置するため冬は非常に寒いと言うことを以前から聞いており、しっかり防寒対策(ヒートテック、手袋、ネックウォーマー、もっこもこの上着など・・・)をおこなって行ったのですが、着いた途端予想を遙かに上回る寒さに驚きました。足と耳の感覚がほとんど無くなるレベルでした。今後は耳当てと分厚いズボンも用意する必要がありそうです。
 1日目はホテルに到着した後、Welcome dinnerを高麗大学校様に開いて頂き、同じく他国から来た学生の皆と顔合わせする機会を頂きました。隣の席に座ったイタリア人の学生と、向かいの席に座っていたスウェーデン人の学生と、国による医学部のシステムに違いやスキー、自国の観光地についてなど様々な話題で盛り上がりました。この経験を通じて、私でも英語で自分の言いたいことが伝えられることを実感し、明日からの英語での学術発表に対し少し気持ちが楽になりました。
 2日目は朝からホテルから徒歩でキャンパスに向かいました。歴史ある学校ですがキャンパスはとても新しく明るく清潔感に溢れており、大変魅力的でした。開会式の後学生発表が始まりました。最初は高麗大学校の学生による発表が行われました。驚いたことに、我々の行っている基礎研究ではなく実際に多数の患者様を対象に、新しい術式や薬の効果を検討する、またはとある疾患についてこれまでに見つかっていないようなリスク因子を探るといった、臨床研究を大半の学生が行っており、高麗大学校の規模の大きさを実感しました。この発表の中では、パーキンソン病とうつ病の相関を調べる、脳神経内科の領域と精神科の領域を繋ぐ研究が最も興味深く感じました。自分も精神疾患とその治療、および神経系でどのような異常が起こっているのかという点について興味があり、終了後ポスター展示も拝見させていただき、理解が非常に深まりました。ただ、本人に直接お会いしお話を伺えなかったのは残念でした。抄録集に連絡先が記載されていたので、また質問事項等連絡したいと思います。
 続いて、韓国の他大学の学生、大学院生の発表が行われた後われわれ他国の学生の発表であるInternational sessionが行われました。他国の学生が素晴らしい発表を行い圧倒され緊張が経時的に強まる中で自分の順番が回ってきました。ホテルを出るギリギリまで原稿の推敲や質疑応答の予測を行っていたため、無事に時間内に発表を終え、質問の内容も理解し対応することができました。ただ、緊張していることもあり単純な英単語がいざという時に出てこず焦ってしまい、質疑応答で十分に自分の言いたいことを伝えきれなかったことが悔やまれました。今後は英語を読み、聞き取るだけではなく実際に話したり書いたりして使っていく、いわゆる「output」にあたる研鑽を積んでゆきたいと改めて強く思いました。今回の研究発表は、総じて発表者によっては賞金もかかっている機会ということで、ピリピリした空気の中で進んで行くかと思っていましたが、皆がお互いを尊敬し、時に笑い声もあったようなとても良い雰囲気の中で行われていました。
 発表後は参加者の皆様とご一緒に食事をとる機会を用意していただきました。お酒も入り、1日目の顔合わせよりもよりフランクな雰囲気の中で、医学の事以外にも様々な話題で盛り上がりました。日本語を話し出す海外の学生もおり、とても楽しい時間を過ごすことができました。また彼らとどこかの学会等で再会し、このような楽しい交流が持てたら良いなと思いました。
 3日目は飛行機まで時間があったため、ソウル市内周辺の観光に行きました。同行者が大の鹿好きということで、バスでソウルの森公園へ向かいました。奈良の鹿とは違い、人が近づいてきてものんきに草を食べていたり、ひなたぼっこをしていたりと非常に牧歌的であり、学会や移動の疲れが癒やされました。その後昼食に焼き肉を食べたかったのですが目当ての店が閉業しており、行き当たりばったりで近くのタコ料理の店に入りました。メニューが読めず、注文にはとても苦労しましたが、絶品のタコビビンバ、アサリ鍋、自家製キムチなどが現れてくれました!地元向けの店であり、値段もリーズナブルであり大当たりでした。
 今回のKUカンファレンスに参加したことは、私の学生生活において本当に貴重な経験となりました。発表者の専門も国籍も異なっていましたが、自分の研究に対し興味を持って質問を投げかけて下さったことが、今後の意欲と自信につながりました。このような素晴らしい機会を与えていただきました高麗大学校様、学生研究会の皆様方、国際連携室のスタッフの皆様方には心より感謝申し上げます。後輩の皆さんにも、是非参加して欲しいと思います。