お知らせ

5年守田悠彦さんの高麗大学国際医学生研究カンファレンス参加報告

KU conference に参加して

名古屋大学医学部医学科5年
システム生物学所属
守田悠彦

システム生物学分野に所属する医学科5年の守田悠彦です。この度は学生研究会からの援助をいただきまして、6th KU conferenceに参加いたしました。感想文を書くことが援助の条件だったため、ここに感想文を記します。

6th KU conferenceは高麗大学が主催する、研究を行っている医学生のためのイベントです。今回は名古屋大学からの参加者5人を含む19人が韓国外から、そのほぼ2倍の韓国内の医学生が参加しました。

期間中の韓国は歴史的寒波に見舞われており、滞在中の最低気温は-16℃を記録しました。このため、ずっと太平洋側でぬくぬくと生きてきた私は人生で一番の寒さを経験することになりました。

初日はwelcome party にて、韓国のイタリアンを楽しみました。料理はイタリア出身の学生が認めるクオリティでしたが、料理はともかく海外の学生と学会前から親しくなることができ、こうした機会が他の医学生交流会でも用意されていると良いなと思える内容でした。

2日目は丸一日学会でした。セッションは4つあり、内訳は高麗大学の学生によるセッションが2つ、その他韓国の学生によるセッション、韓国外からの学生による国際セッションでした。加えて、朝はポスターセッションが開催されました。司会や座長はすべて高麗大学の学生が務めました。特に座長はフロアからの質問が無かった際に質問するのが習わしのため、セッションが幅広い分野の発表で成り立っているにも拘らず、これを学生で務めたというのは正直なところ驚いたと記しておきます。

学生の研究発表はどれもレベルが高いもので、特に本格的な臨床研究を行っている学生が多いと感じました。名大からの学生は全員が基礎研究分野からの発表であり、(比較するものでもないですが)こちらも他大の発表者に負けず劣らずの発表で、同じ大学の学生であることを誇りに思えるような内容だったと思います。自身の研究は深層学習を用いて2光子顕微鏡画像のぼやけ除去を行う手法の開発で、機械学習や数学、顕微鏡、光学など幅広い(医学とはほぼ関係ない)背景知識を必要とするものであり、さらに手法がメインテーマであるため、医学生にはわかりにくい発表になってしまいました。それでも、「手法はよく分からなかったが、結果の図が非常に綺麗で感動した」という感想をいただくことができました。さらに、chairperson役の学生から手法に関する質問をいただき、大変嬉しく思いました。(写真1)

学会後は近くの韓国居酒屋で懇親会が開催されました。chairperson役の学生に懇親会で話したところ、機械学習に興味があるとのことで、似たような興味を持つ人を見つけることができました。その他、国を隔てて多くの学生と進路や、実践的な中国語のフレーズなどの話題で盛り上がることができ、大変貴重な経験となりました。(写真2)

最終日は飛行機の時間まで各自で観光いたしました。私は歴史ツアーと称して昌徳宮・韓屋村・景福宮・南大門市場を散策しました。昌徳宮の正門にあたる敦化門は大韓民国最古の門であり、宮内の錦川橋は大韓民国最古の橋とされています。景福宮は壬辰戦争(文禄・慶長の役)では焼き払われ、朝鮮総督府時代前後には暗殺事件が起こり、朝鮮戦争では焼失するなど朝鮮半島の歴史と深い関わりを持つ施設です。景福宮の南門にあたる光化門(写真3)からソウル駅に伸びる光化門広場には、壬辰戦争で水軍を率いた李舜臣や1930年代の朝鮮王、世宗のモニュメントが建てられていました。光化門広場は立地的にデモが開催されやすい場所であり、実際に当日も愛国集会のようなものも開催されておりました。南大門広場では屋台が盛んで、ハットグやたいやき、おでんなどを楽しむことができました。この散策では、結果的にホテルからソウル駅まで徒歩で移動することになりました。歩行距離は20kmを超えており、また荷物をすべて持って散策したため、翌日は少し筋肉痛がありました。

この研究会参加を通して、世界各国の学生と交流を深めることができました。このような貴重な機会を与えてくださり、またサポートしてくださった学生研究会の皆様や高麗大学の皆様、名古屋大学と高麗大学との交流窓口になっていただいている国際連携室のスタッフの皆さまに感謝申し上げます。

写真1
写真2
写真3