お知らせ

3年井上澪さんの高麗大学国際医学生研究カンファレンス参加報告

6th KU International Medical Student Research Conference に参加して

名古屋大学医学部医学科3年
分子細胞学所属
井上 澪

2023年12月22日にかけて、韓国・ソウルの高麗大学で開催された6th KU International Medical Student Research Conferenceに参加しました。

<カンファレンスについて>
最初に高麗大学の学生によるポスターセッションがあり、その後口頭発表のセッションが高麗大学の学生、韓国国内の高麗大学以外の学生、海外から来た学生に分かれてありました。韓国の学生はほとんどが臨床系の研究について発表をしており、高麗大学病院のデータやインターネット上に公開されているデータを用いて解析を行なっている方が多かったです。臨床系の研究やメタアナリシスの手法は普段あまり触れることがないので新鮮でした。一方で海外から来た学生では、基礎系の研究を行なっている方もいる中で、日本から来た学生は全員が基礎系の研究でした。国によって医学部生が取り組む医学研究に違いがあることを感じました。また海外から来た学生の中にはすでに自分の論文を持っている方も多くいました。
私は、視覚遮断によって異なる複数の感覚を統合する領域の神経回路の変化と、その際のアストロサイトの役割について発表しました。自分の研究分野と異なる研究分野の方が多いため、スライドは図や動画を多く使用しできる限りわかりやすく、実験の手法や得られるデータがイメージしやすいように、シンプルな論理構成で作成することを心がけました。また喋る際も、研究や実験の目的と結果を明確に伝えられるようにしました。今回の発表が初めての口頭発表ということもあり、スライドの枚数や原稿の量に対する時間感覚が掴めず、少し苦労しました。発表では、落ち着いて話すことができたと思いますが、全く異なる分野の研究をしている医学部生に短い発表時間の中で内容を伝えることの難しさを感じました。

<懇親会について>
1日目の夜には韓国以外の国から来た学生を中心にWelcome partyが、2日目の夜には参加者全員が参加する懇親会がありました。どちらの会でも、医学部のカリキュラムとどのように研究時間を確保しているかについて話が盛り上がりました。日本のようにカリキュラム外の授業後や放課後の時間が研究時間のメインとなっている国は日本の他に韓国のみで、その他の国では学位を取得するために1年間長く大学に在籍できたり、医学博士を得るための研究を在学中から始められたりと、日本よりも研究に取り組みやすい体制が整っているように感じました。また高学年の方が多かったこともあり、医学部卒業後のキャリアの話も多く話題にあがりました。臨床ではなく基礎の道に真っ直ぐ進みたい学生はあまり居らず、臨床をしてお金を稼ぎつつ臨床研究をしたいと考えている方が多数でした。
真面目な話題以外では、寿司とキンパとカリフォルニアロールの違いや各国で人気のスポーツ、アニメ、各国の気候などのテーマで会話を楽しみました。
様々な国の医学部生が集まったからこそできる話が多く、とても充実した時間でした。

<韓国について>
カンファレンスの翌日は飛行機の時間まで余裕があったため、少しソウルを観光しました。私は高校生の時に2度韓国に行ったことがあるのですが、その時とあまり変わらず、観光地である明洞は多くの日本人観光客で賑わっていて、日本語を話すことのできる店員さんも多くいらっしゃいました。

<謝辞>
今回のカンファレンスを運営してくださったKorea University College of Medicineの皆様、派遣に関して様々なサポートをして下さった国際連携室の皆様、学生研究会の皆様に改めてお礼を申し上げます。