お知らせ

5年岡田尚さんの学会発表報告

第34回日本疫学会学術総会参加報告

名古屋大学医学部医学科5年
予防医学講座所属
岡田 尚

 2024年1月31日(水)から2月2日(金)にびわ湖大津プリンスホテルにて開催された第34回日本疫学会学術総会に参加しました。

 本総会のテーマは「疫学が創る未来社会」でした。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行にあたって多くの疫学データが用いられたことは記憶に新しいところです。また、社会のすみずみから電子化された大規模データ(いわゆる「ビッグデータ」)が集積し、AIを用いた解析も急速に進歩しています。一方、気候変動に代表される地球環境問題、さらにはこれらに戦争が加わり、食糧問題やエネルギー問題が深刻化し、世界規模の問題として人類の生存と健康にも大きな影響を与えつつあります。このように疫学が取り組むべき課題は刻々と変化しています。本総会は、伝統的な疫学研究の対象である循環器疾患やがんなどの生活習慣病、感染症や公害・中毒に加え、AIやビッグデータなどを活用したデジタルヘルス分野、貧困問題や教育格差などを扱った社会疫学分野など、多種多様な演題が採択されており、これからの世界と日本の未来社会を創っていくうえで疫学がどのような役割を果たすのかを議論するとともに、我々を含めた次代を担う若い研究者が新たなテーマを発見するうえで大変貴重な場となったと感じました。
 
 私は、「日本人におけるエストロゲン関連遺伝子多型と乳がんリスクとの関連:J-MICC研究」のタイトルでポスター発表を行いました。一学生の研究発表にも関わらず、多くの方々に興味を持っていただき、大変貴重なご意見・ご質問等をいただくことができました。本総会での経験を踏まえ、今後の研究活動もより一層精進していきたいと思います。

 本総会での発表は、私の今後の研究活動の大きな糧になりました。研究をご指導いただいた若井先生をはじめとした予防医学教室の先生方、日本多施設共同コーホート研究(J-MICC研究)に携わった方々、学会参加に際し、ご支援いただきました学生研究会の皆様に改めて深く感謝申し上げます。