お知らせ

4年扇弘樹さんの学会発表報告

日本計算機統計学会第38回大会 報告書

名古屋大学医学部医学科4年
システム生物学所属
扇 弘樹

 2024年5月24日、25日に山形県のやまぎん県民ホールで開催された日本計算機統計学会第38回大会に参加しました。本学会で私は「Dirichlet-Multinomial modelを用いた一細胞状態分布を変化させる遺伝子変異の検出」というテーマで口頭発表しました。
 本学会は主に統計学的な手法の開発やデータ解析の実践、またデータサイエンスの教育に至るまで議論されており、医学や生物学の勉強を日々行っている身からすると異世界のようであり、非常に新鮮で大きな刺激を受けました。この学会において特に印象を受けたこととして企業によるプレゼンテーションが非常に多かったことです。私自身はアカデミアの領域から出たことがないため、研究内容の新規性や創意工夫に注目することが多いですが、企業の方の話を聞いて実際に研究によって生み出された手法、成果がどのようにして社会実装されるのか、最終的に人々の幸福に貢献できるのかといった点が実社会において重要であると強く感じました。また興味深かったこととしてデータサイエンス教育が高等教育現場において現在どのように実践されているか、これからどうなっていくかが議論されていたことです。近年、データサイエンス並びに機械学習といった分野はビッグデータを用いたビジネスの興隆や直近では生成AIの普及により非常に人気のある領域だと思います。しかし、データサイエンスはあくまで手法であり、目的を達成するために用いるに過ぎないため、例えば私の場合は自分の専門である医学、生物学に対して最新の知見を深め、それらの分野の発展に寄与できることを目的としなくてはいけないと改めて感じました。
 今回、私は学生セッションにおいて15分間の口頭発表を行う場に恵まれました。大学に入ってこのような学会に参加するのが初めてだったため、発表直前まで非常に緊張しましたが、発表が始まってからは練習通りできて非常に良かったです。自分の研究を分かってもらえるようにこれからもこうした経験を積み重ねていきたいと思いました。
 最後になりますが、お忙しい中ご指導してくださったシステム生物学分野の皆様、またご支援してくださった学生研究会の皆様、そして本大会を開催し、発表の場を提供してくださった日本計算機統計学会の皆様に心より深く感謝申し上げます。