今回、私は2025年4月17日から19日にかけて宮城県の仙台国際センターで開催された第114回日本病理学会総会に参加しました。本学会では、「Microplastics as potential inducers of oral cancer progression (口腔がんの進行促進因子としてのマイクロプラスチック)」という演題名で、会期の最終日にポスター発表を行いました。
私は、近年環境汚染物質として注目されているマイクロプラスチック(MPs;粒子径1µm未満の微細なプラスチック粒子)がヒトの口腔がん細胞に与える影響について研究しています。MPsによって誘発されるがん細胞の機能変化とそのメカニズムを解明することを目的としています。他大学の学生や、座長の先生からいただいた質問や感想は大変興味深く、今後につながるものだったと思います。また、基礎医学セミナーの学生発表会や以前に参加した学会での発表から得られた反省を生かし、今回の発表につなげることができたと感じています。一方、比較的身近な研究テーマゆえに素朴な質問を投げかけられることが多く、かえってうまく適切な返答をすることができなかったのは反省点だと感じています。
参加したポスターセッションでは、病理学に関する幅広いテーマの研究を拝見し、同世代の学生が高い志を持って研究に励んでいると感じました。また、ポスターの構成も趣向を凝らしたものばかりで、視覚的に聴衆を引き付ける工夫についても勉強になりました。
最後に、熱心に研究を指導してくださり、本学会での発表の機会を与えてくださった生体反応病理学の先生方、また、この旅路の支援をしてくださった名古屋大学医学部学生研究会の皆様に深く感謝申し上げます。