この度、私は4月25日から4月30日までの間、シカゴで開催されたAACR (American Association for Cancer Research) annual meeting 2025に参加させていただきました。教授である近藤先生からは「ドでかい、お祭りのような学会だよ。」と伺っていたのですが、想像以上に大規模な学会で衝撃を受けました。
AACRは毎年2万〜3万人が参加するアメリカ最大のがん学会で、世界各地から研究者が集まっていました。今回はMcCormick Place Convention Centerという会場で行われ、五大湖であるミシガン湖のすぐそばに位置し、講演を行うホールも一つ一つとんでもなく大きく、またホテルのように綺麗な会場でした。
学会では、初学者でも聞けるような「Educational Session」、最新の癌研究の動向をつかむ「Plenary Session」、参加した個々の研究者が発表する「Poster Session」など、さまざまなセッションが行われていました。KRAS inhibitorから始まり、Circulating free DNA、Liquid Biopsiesなど、最新の癌研究の早期診断・発見から治療まで幅広く知見を深めることができていい経験になりました。
「Poster Session」では、“Dynamic Subcellular Localization of the EMT-Associated lncRNA lncX in Pancreatic Cancer”という演題で、ポスター発表させていただきました。正直言って、学生レベルの発表に人が来てくれるのかという不安でいっぱいでしたが、結果的に10人くらいの方に質問していただけました。中でも「lncRNAをやっている人は珍しいから。」と言って来てくれた方もいて、AACRとそして研究者のすそ野の広さを実感しました。
この学会を通して、世界中の多くの研究者がAACRの掲げている癌撲滅を目標に様々な観点から研究していることを実感するとともに、一方で治療薬への耐性など癌研究の難しさや課題なども認識できた貴重な経験となりました。
最後に、学会参加準備から渡航まで何から何までサポートしてくださった学生研究会の黒田先生と安部様。また、普段ご指導いただいている腫瘍生物学の近藤先生、新城先生、鈴木先生、西村先生、腫瘍生物学の皆様に感謝申し上げます。
また、今回の学会発表に際して、中京長寿医療研究推進財団様にご支援いただきましたことを深く感謝申し上げます。