この度、私は5月25日から5月27日までの間、リスボンで開催されたEuroanaesthesia 2025に参加し、ポスター発表を行いました。Euroanaesthesia は麻酔学および集中治療学における世界最大級の国際学会の一つであり、ヨーロッパ各国はもちろん、アジア、アメリカなど世界各国から医師や研究者が参加していました。
海外学会での発表は1年次からの目標でもあったので、今回このような機会をいただけたことは大変光栄であり、嬉しく思っています。学会発表自体が初めてである上、海外、英語での発表ということで、非常に緊張しましたが、振り返ってみるととても有意義で刺激的な3日間でした。
初日の朝、学会会場に到着した際には、世界中から集まった参加者の熱気と規模の大きさに圧倒されました。Opening ceremonyでは、Opening lectureとしてAIと医療の今後についての講演が行われました。AIについて、他国の有名な研究者の方々の見解を聞くことができ、大変勉強になりました。自分の発表は最終日だったので、それまでは他の参加者の発表や講演を聞いたり、企業ブースを見学してまわりました。臨床研究については、自分の知識不足もあり、難しい内容のものも多かったのですが、世界中でどのような研究が行われるのか直接聞くことができたのは大変貴重な経験になりました。
発表については、最終日に「Lidocaine pre-treatment suppresses the acute restraint stress-induced increase in blood-brain-barrier permeability in mice」という演題で発表させていただきました。同じSessionグループの中には学生で参加していた人はおらず、とても緊張しましたが、Main Chairを担当されていた方にも褒めていただき、今後の研究についてアドバイスもいただくことができました。海外の学会で発表し、英語で議論し、直接フィードバックをいただけるという貴重な経験を学生のうちにすることができて、とても自信になったと同時に、学会の楽しさを知ることができました。
また、学会を通して素敵な出会いにも恵まれ、初日にはイギリスの研修医の方と仲良くなり、お互いの研究内容や自国の研修制度、医師の働き方など様々なことを話すことができました。このような交流を通して自身のキャリアを考え直すきっかけとなったと同時に、世界には自分と同じように、あるいはそれ以上に努力している仲間がいるのだと実感し、自分もより一層努力しなければならないと強く思いました。
学会の合間にはリスボン観光もすることができました。5月下旬のリスボンは非常に過ごしやすく、ヨーロッパらしい素敵な建物がいっぱいで、街を歩いているだけでもとても楽しかったです。パステル・デ・ナタと呼ばれるエッグタルトなど、ポルトガルの伝統料理も堪能することができました。
最初は不安でいっぱいだった今回の発表ですが、これまで継続してきた研究を英語で発表し、意見を交わすことができたことは自信になり、今後も研究を頑張りたいというモチベーションにもつながりました。一方で自分の英語力や医学知識はまだまだだということも痛感しました。自分の考えを英語で十分に表現できない場面や、知識不足のために理解できない場面がありましたが、そのもどかしさをバネに今後さらに語学力や医学の勉強を頑張っていきたいと強く感じました。
最後になりましたが、1年次からご指導をいただき、海外学会での発表という大変貴重な機会とご支援をいただいた名古屋大学大学院医学系研究科麻酔蘇生医学分野の皆様、学会参加に際してサポートしていただきました学生研究会の皆様に感謝申し上げます。また、今回の学会発表に際して、中京長寿医療研究推進財団様にご支援いただきましたことを深く感謝申し上げます。