お知らせ

4年中川はつみさんの学会発表報告

第48回日本神経科学大会に参加して

名古屋大学医学部医学科4年
分子細胞学講座
中川 はつみ

このたび私は、2025年7月24日から27日にかけて、新潟市の朱鷺メッセにて開催された第48回日本神経科学大会に参加いたしました。本大会は、日本神経科学学会が主催する、我が国最大規模の神経科学分野の学術集会であり、神経に関する幅広い分野の専門家が一堂に会し、活発な議論と最新の知見の共有が行われる場として長年の実績を有しています。とりわけ今年は、同学会の前身である日本神経科学協会が創立されてから50周年という記念すべき節目にあたり、それを祝う特別企画が数多く催されました。学会の歴史や歩みに触れるセッションに加え、世界各国より招聘された第一線の研究者による講演やシンポジウムが随所に配置され、まさに国内外の神経科学が融合する非常に充実した内容でありました。
また、日頃より共同研究でご一緒している他大学の研究者による講演やシンポジウムにも数多く参加することができ、普段のメールや論文のやり取りでは得られないような、研究に対する姿勢や背景への理解を深める貴重な時間となりました。近いテーマを扱う他大学の研究グループによるポスター発表からは、自分の研究との共通点やアプローチの違いを意識しながら多くの刺激を受け、視野がさらに広がったように感じています。新たなアイデアや技術的な工夫にも触れることができ、今後の研究計画に具体的に反映させたい示唆をいくつも得ることができました。
私は本大会において、これまでの研究成果をポスター形式で発表する機会をいただきました。これまでに複数回の学会発表を経験する中で、研究内容の伝え方や質疑応答の姿勢について少しずつ改善を重ねてきたことが、今回の発表にも確かに活きたように思います。発表当日は、研究の背景や着想、結果の解釈に至るまで、自分の言葉で丁寧に説明することができ、来場者の方々とも、今までと比べてより本質的かつ建設的な議論を交わすことができました。自身の研究に対して率直なフィードバックをいただけたことも非常にありがたく、今後の方向性を見つめ直す大きな手がかりとなりました。さらに、拙いながらも真摯に取り組んできた研究内容が評価され、The awardees of the Junior Investigator Poster Award を受賞することができたことは大きな励みとなりました。研究者としての姿勢をより一層磨き、精進を重ねていくべきであるとの思いを新たにいたしました。
最後になりましたが、日頃よりご指導・ご助言を賜っております分子細胞学講座の先生方をはじめ、実験や研究活動を支えてくださっている支援員の皆様、また日々の議論を通じて多くの刺激をくださる学生研究会の皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。今回の学会参加を通じて得られた知見や学びを今後の研究に真摯に活かし、より意義のある成果へとつなげていけるよう、引き続き努力してまいります。