お知らせ

5年小出菜月さんの学会発表報告

第84回日本癌学会学術総会に参加して

名古屋大学医学部医学科5年
腫瘍生物学所属
小出 菜月

 2025年9月25日から27日にかけて金沢で開催された第84回日本癌学会学術総会に参加しました。私は、脳腫瘍の中でも最も悪性度の高い膠芽腫における、抗がん剤のテモゾロミドと自然免疫応答の関係について、近藤豊教授の腫瘍生物学で研究しています。
 昨年に引き続き2回目の癌学会でしたが、今回はポスター発表に加えて「たまご・ひよこセッション」という最終日の特別企画でも口頭発表をさせていただきたました。これは全国から集まった医学生が主に高校生に向けて発表する場で、がんの他にも神経や疫学の研究をしている学生もいました。今回初めての取り組みということで、どれくらいの聴衆が来るのか規模感がわからず不安な気持ちもありましたが、いざ会場に行ってみると学部生には勿体無いくらいの立派なホールで、貴重な機会を頂けたことに感謝の気持ちが高まりました。開始時間が近づくにつれて会場に続々と高校生や大学生が入ってきてとてもホッとしたのと同時に、彼らを惹き付け、そして理解してもらえるいい発表をしたいと思いました。私のプレゼンは、研究内容の他に名大の研究に対する特徴的な取り組みや、実際の自分の研究生活についての紹介も準備していたので、他の発表者と一味違っていて皆様に楽しんでもらえたのではないかと思います。質疑応答では、研究者の先生方だけでなく高校生からも鋭い質問をもらい、自分の説明がしっかりと伝わったことが嬉しかったし、レベルの高さに良い刺激をもらいました。また、セッション終了後にはランチをしながら高校生と交流する時間があり、受験勉強のことなど様々な相談に乗りました。
 この企画に応募するときは、「学会でまだ口頭発表したことないし、学生メインだからハードルも低くていい機会かな」と気軽に申し込みましたが、いかに「面白い」発表をするかよく考えながら準備をし、当日はどう喋ったら惹き付けられるか試行錯誤し、もらった質問からは研究に対する新たな視点を得て、とても勉強になりました。緊張はしましたが楽しめたので、参加して良かったと心から思っています。
 また、これも本学会で初めての試みとなる「Run&Walk in Kanazawa 2025」に参加しました。研究者と患者さんが一緒に楽しく健康的に走って(歩いて)、お互いの理解を深めることを目的としています。金沢城公園を3km走り、爽やかな天候にも恵まれて心身ともにリフレッシュすることができました。病院外で患者さんと直接触れ合う機会はなかなかないため、とても貴重で有意義な経験となりました。
 最後に、日々ご指導くださる腫瘍生物学の先生方、スタッフの皆様、学生メンバー、そしていつもサポートしてくださる学生研究会の皆様に、心より感謝申し上げます。

たまご・ひよこセッション
東大の友達(左)と、Run&Walk in Kanazawa 2025の参加賞(ビーバー)を持って
空き時間に、一度は訪れてみたかった石川県立図書館へ。とてもおしゃれでした!