この度、2025年12月19日〜20日に韓国ソウルの高麗大学(Korea University)にて開催された8th KU International Medical Student Research Conferenceに参加いたしましたので、ご報告させていただきます。
本カンファレンスでは主催の高麗大学の学生を中心として、国内外の様々な大学から研究に携わる医学生が集い、それぞれの研究について発表し合いながら、議論や交流を深めました。使用言語は英語、発表形式は口頭発表とポスター発表の2種類があり、私は「Biomarker Discovery and Machine Learning Prediction of Cognitive Decline in Parkinson’s Disease」というタイトルで、自身の研究内容をポスター形式にて発表させていただきました。
1日目にはキャンパス内の施設を案内していただき、高麗大学医学部の整った設備を見学することができました。図書館やカフェテリアはデザイン性が高く綺麗で、組織学や救急の実習室は学生が集中しやすくデジタル化の進んだ印象を受けました。その後のウェルカムパーティーでは、高麗大学以外の学生を中心に打ち解けながら、家庭料理から果物やスイーツに至るまで、とても美味しい韓国料理をいただくことができました。
2日目には研究内容を互いに発表する時間が設けられ、ポスターセッションでは自身の研究について英語で他者に伝える機会に恵まれました。事前に原稿を考えていたものの、実際には聞き手が興味のある部分や疑問に思った部分を深掘りしながら、臨機応変に議論を行う必要があったので、アカデミックな英語力や、自分の発表内容を自身がきちんと理解していることの必要性を痛感しました。慣れない発表に苦戦しましたが、発表を聞いてくださった先生や学生の方々は優しく、私の英語力や医学的知識が未熟でも、挑戦することが大事というスタンスで見守っていただけました。また逆に他の学生の発表を聞くのも興味深く、総じて楽しんでポスターセッションを終えることができました。口頭発表のセッションでは、どの学生も洗練された見やすい資料を示しつつ、自信を持って発表を行っており、基礎研究よりも臨床データを活用した研究が多い印象を受けました。
高麗大学の学生の全体的な印象としては、英語力の高さと勉強熱心さに驚きました。普段から英語を単なる語学としてではなく、コミュニケーションのための道具として使いこなす練習をしているのが見てとれました。発表の際にも、研究内容に関する多方面からの質問に対して、研究内容の今後の展望や改善の余地に言及しながら堂々と受け答えをしていました。一方で、私たちと同じく第二言語として英語を勉強しているためか、ネイティブの学生たちと比較して話すスピードも早すぎず、こちらが話すのを焦らず待っていてくれることも多かったので、同じ目線でコミュニケーションを取れるという意味で話しやすく感じました。
発表の後には打ち上げを開催していただき、チキンやビールを囲みながら、カジュアルに学生どうしで交流することができました。韓国での医学生生活について話を聞いたところ、医学部でのストライキによりカリキュラムがスムーズに行かないこともしばしばあるそうで、政治的な問題で将来のキャリアプランに影響が出てしまうという苦労を知りました。普段の学校生活は私たちと共通点もあり、日本の医学生ほど高い割合ではないものの、多くの学生が部活やサークルに所属していて、授業や試験についての情報交換の場として機能しているそうです。私が打ち解けた韓国の学生は5、6年生の方が多かったので、将来進みたい診療科について明確なビジョンを持っていたり、今後も研究を継続するプランを模索中だったりと、卒業前後の見通しについて話してくれました。
このような体験を通じて、自身の今後の研究へのモチベーションが高まるとともに、異なる国や地域に住む同年代の様子を知ることができて大変勉強になりました。日本語が通じない状況で打ち解けようと一生懸命になると、自然と英語でのコミュニケーションに慣れていく実感がありました。さらに、普段は自分の研究について視野が狭くなってしまいがちですが、見知らぬ人に向けて話す場での経験は、取り組んでいることを客観視する良い機会になりました。加えて、ともに参加した日本人学生はみんな同級生で、空いた時間には連れ立って有名観光地やローカルなスポットを巡り、カンファレンス以外の時間も有意義に楽しむことができました。初めての渡韓で分からないことも多い中、現地で会った方々も一緒に参加した仲間たちも親切で、また、参加のための準備にあたっては、研究室や学生研究会の方々にお力添えいただき、本当にお世話になりました。
最後になりますが、データ駆動生物学講座指導教員の矢田先生、近藤先生、本田先生および、学生研究会の安部様、黒田先生に心よりお礼申し上げます。また、今回の学会発表に際して、中京長寿医療研究推進財団様にご支援いただきましたことを深く感謝申し上げます。