お知らせ

5年富樫俊介さんの学会発表報告

第115回日本病理学会総会に参加して

名古屋大学医学部医学科5年
医学系研究科生体反応病理学所属
富樫 俊介

今回、私は2026年4月16日から18日にかけて北海道のグランドメルキュール札幌大通公園および札幌市教育文化会館で開催された第115回日本病理学会総会に参加しました。本学会では、「Potential role of microplastics in oral cancer progression via oxidative stress (マイクロプラスチックは酸化ストレスを介して口腔癌を促進する)」という演題名で、会期の最終日にポスター発表を行いました。

 私は、マイクロプラスチック(MPs; 粒子径5mm未満の微細なプラスチック粒子)がヒトの口腔癌細胞に与える影響について研究しています。ヒト体内に侵入したMPsはROS(活性酸素種)の生成や代謝の変化、DNA損傷などの細胞反応を引き起こし、口腔癌を進行させるという仮説を立て、MPsによって誘発されるがん細胞の機能的変化を解明することを目的として研究しています。昨年の病理学会総会での参加・発表後は、実験の試行回数を増やし、より多くのデータ解析を通して、結果の信頼性を十分に担保することができるように努めた一年間でした。また、トランスクリプトーム解析を通じて、口腔癌細胞の異なる細胞株において発現が変化した遺伝子を比較検討し、より具体的に機能的変化の機序を考察していきました。

 ポスターセッションでは、「分野横断的研究」というセッションにて発表しました。生活習慣と悪性腫瘍の関連を考察した研究や、癌の遺伝子変異に対して、独自の粒子を通じた新たな治療プラットフォームの提案など、病理学に関する幅広いテーマの研究を拝見し、同世代の学生が高い志を持って研究に励んでいると感じました。セッション内で優秀賞に選出していただき、今回の機会を今後の活動の励みにしていきたいと思っています。

 最後に、熱心に研究を指導してくださり、本学会での発表の機会を与えてくださった生体反応病理学の先生方、スタッフの皆様、また、この旅路の支援をしてくださった名古屋大学医学部学生研究会の皆様に深く感謝申し上げます。