この度、私は2026年4月16日から18日にかけて北海道のグランドメルキュール札幌大通公園および札幌市教育文化会館で開催されました第115回日本病理学会総会に参加して参りました。本学会では、「SERPINB3 shapes angiogenic stroma in basal-like pancreatic cancer subtype (SERPINB3は膵管腺癌basal-likeサブタイプにおける血管新生間質を促進する)」という演題名で学生ポスター発表を行いました。
膵管腺癌は極めて予後不良ながんとして知られており、近年では「がん細胞そのもの」だけでなく、周囲の血管や線維成分、免疫細胞などからなる“腫瘍微小環境”が、がんの進展や治療抵抗性に深く関わることが注目されています。本研究では、SERPINB3という分子に着目し、血管内皮細胞への影響を解析しました。その結果、SERPINB3は血管構造の形成を促進する可能性が示され、血管新生や炎症に関連する遺伝子変化も確認されました。これらの結果から、SERPINB3は膵管腺癌の進展に関わる可能性が示唆されました。本発表では、主に基礎医学セミナー期間に取り組んだ研究内容について報告いたしましたが、基礎医学セミナーでの学内発表での反省を活かし、今回の学会発表に臨むことができました。座長をはじめとする先生方から、研究背景や病理診断学分野との関連性についてのご質問や、SERPINB3の血管新生能以外の腫瘍微小環境への影響の検討についてのご助言をいただきました。今後の研究活動に活かしていきたいと強く感じました。
今回、学会発表への参加は初めてでしたが、限られた時間内に研究内容の要点を簡潔に伝えることや、質疑応答において論理的に説明することの重要性も改めて実感いたしました。そして同一セッションでは、研究テーマは異なるものの、同じく膵癌の研究に取り組んでいる学部生の発表も拝聴でき、大変刺激を受け、今後の研究活動へのモチベーション向上にもつながりました。
最後になりましたが、日頃より研究活動のご指導をいただいている生体反応病理学の先生方、また学生研究会の皆様に心より感謝申し上げます。