2019年6月6−8日の間、宮城県の仙台国際センターにて第61回日本老年医学会学術集会が開催されました。私は当学会において、3年後期より半年間行ってきた研究成果を口頭発表しましたので、ここで報告させて頂きます。
まず、私が行った研究テーマは「認知症主介護者におけるコーピング形態の変化に関する質的研究」です。研究というと統計を用いた(数に焦点を当てた)ものを思い浮かべがちですが、こういった研究は一般に量的研究と呼ばれるものです。私が今回行ったものは質的研究と呼ばれるものであり、実際に介護を行っている方にインタビューを行い、そこから一般的な概念に言い換えていくという流れで進めていきました。研究内容の概要は、認知症は介護の原因として最多であるという内閣府の報告に基づき、認知症の方の主な介護者(実子や嫁など)がどのようにして自身のストレスに対処しているのかを考察するというものでした。質問用紙などを用いた研究からは中々見えてこない、生の言葉を聞くことができたという点で、非常に印象深い研究となりました。
次に日本老年医学会学術集会についてです。日本老年医学会学術集会は2年に1度開かれる学術集会であり、同時に日本老年社会科学会や日本基礎老化学会、日本老年歯科医学会、日本老年精神医学会、日本ケアマネジメント学会、日本老年看護学会が開催されます。そのため多分野の発表があり、意見をくださる方々も様々なバックグラウンドを持っていらっしゃいます。一つの学会に参加することで色々な視点から見た知識を得ることができるという点では大変魅力的な学会であると思います。次回は名古屋で開催されますので、この報告書を見て下さっている方も是非参加を検討されてはいかがでしょうか。
学会の後には仙台の名物も食べました。写真は牛タン発祥の店、味太助の仕込み場の様子です。積み上げられた牛タンが壮観ですね(撮影許可は頂いております)。各地の名物を食べられることも学会参加の魅力ではないでしょうか。
最後に、今回の学会発表をするにあたって半年間に渡ってご指導して下さった地域医療教育学講座の末松三奈先生、岡崎研太郎先生、高橋徳幸先生、また旅費のご支援を頂いた学生研究会(基礎医学研究者育成プロジェクト)に厚く御礼申し上げます。