お知らせ

6年藏野結衣さんの学会発表報告

第56回日本小児外科学会学術集会 参加報告

名古屋大学医学部医学科6年
藏野 結衣

令和元年5月23日から25日に、福岡県の久留米シティプラザにて開催された第56回日本小児外科学会学術集会に参加し、ポスター発表を行ったのでここに報告させていただきます。

研究を始めたきっかけは、小児外科医局説明会に参加した際、学会で発表してみないかと声をかけていただいたことです。臨床で研究をする学生はそう多くないと聞きますが、このような貴重な機会を与えていただいたことに感謝しております。

学会では『腹腔鏡下胆道閉鎖症手術に術者の限定は必要か?』という題で発表させていただきました。胆道閉鎖症は名古屋大学小児外科が全国に誇る治療を行っている病気です。一般に、この病気のメカニズムはまだ詳しく解明されていない上、治療は大変難しく、肝移植を必要とする子供の割合も少なくありません。以前の報告では、術者をベテランに限定しないと治療成績は向上しないと言われており、決められた医師しか手術を行ってはならないという風潮でした。

しかし、近年、腹腔鏡手術の発展によって、小児外科治療は大きく変化しました。術者と同じ視野を皆で共有することが可能となり、見て学べる・見ながら指導できるようになっています。開腹手術の"見えない"という弱点を克服した腹腔鏡手術であっても、胆道閉鎖症手術の術者限定が必要なのか検討したのが本発表です。

今回の学会が行われた久留米は、とんこつラーメンの発祥とされる久留米ラーメン、焼きとりなどのB級グルメが有名な都市で、博多駅から3、40分ほどのところにあります。小児外科学会の開催を、街をあげて歓迎されており、学会懇親会では有名店の屋台が出店するなど、久留米を満喫することができました。自分の発表がない時間には、他のセッションを聞きに行くなどし、小児外科の最新の研究に触れることができました。学会に参加するのは初めてで、雰囲気を存分に楽しむことができ、有意義な時間を過ごせました。

名古屋大学小児外科は腹腔鏡手術が非常に盛んであり、胆道閉鎖症手術を腹腔鏡で行っている数少ない施設の1つです。このような恵まれた環境で研究させていただけたことを、大変嬉しく思います。ご指導くださった名古屋大学小児外科の城田千代栄先生、内田広夫教授をはじめとする先生方、ご支援いただきました学生研究会の皆様に、改めまして深く感謝申し上げます。

久留米シティプラザ
JR久留米駅
久留米ラーメン